COLUMN

9割以上のアイラッシュサロンオーナーが、先月の利益額を答えられない

数字・売上 2026.07.30

▲ この記事の内容は、動画でもお話ししています(約9分)。

先月、サロンの利益が何円だったか。今、すぐに言えますか。

売上なら、パッと言えるオーナーさんは多いです。でも、利益額となると、急に言葉に詰まる方が、ほんとうに多い。私がこれまで数字の相談に乗ってきた中でも、感覚として、9割以上の方が、この質問に即答できませんでした。

先に結論をお伝えすると、答えられないのは、あなたが数字に弱いからでも、経営が下手だからでもありません。売上と違って、利益額は「見ようとしないと出てこない数字」だから、というだけの話です。この記事では、なぜこんなことが起きるのか、そして今日からできる小さな一歩まで、お伝えします。

なぜ、利益額は答えられないのか

数字の相談を受けていると、こんな会話が本当によくあります。「今月、忙しかったですか」と聞くと、「はい、休みもほぼなかったです」と返ってくる。「じゃあ、利益はどれくらい残りましたか」と聞くと、「えっと…」と、そこで止まってしまう。

売上なら、なんとなくの感覚で言える。でも、家賃や人件費、材料費を引いた後に、実際いくら残ったかは、ほとんどの方が答えられません。「売上は去年より上がっているはず」とはっきり言える方でも、「じゃあ利益は去年より増えていますか」と聞くと、そこで初めて黙ってしまう。売上の伸びと利益の伸びは、別のグラフなんです。

理由は、実はとてもシンプルです。売上は、レジや予約システムに勝手に数字が出ます。でも利益額は、経費を引いて初めて出てくる数字です。誰かが電卓を叩かない限り、画面のどこにも出てきません。つまり、見ようとしなければ、一生出てこない数字なんです。

「忙しさの手応え」と「残ったお金」は、別物

ここが、いちばんお伝えしたいところです。「よく働いた」という手応えと、「お金がちゃんと残った」という事実は、別のものです。

体感的に忙しいと、多くの人は「今月は良かった」と感じます。でも、経費が思った以上にかさんでいれば、忙しかった月ほど利益が薄い、ということも普通に起こります。感覚と、実際の数字がズレたまま経営が進んでいく。これが、利益額を答えられない状態の正体だと思っています。

忙しく働いていることと、その数字が自然に見えるようになることは、まったく別の話なんです。

このまま、感覚だけで経営を続けると

もし、利益額を知らないまま、感覚だけで経営を続けたらどうなるか。たぶん、忙しい月は「調子がいい」と思い、暇な月は「悪い」と思う。その感覚だけで、広告を増やしたり、メニューを変えたりを判断してしまう可能性があります。

実際には、忙しい月ほど経費もかさんで、利益が薄いことだってあり得ます。数字を見ないまま動くと、頑張る方向そのものがズレてしまうことがあるんです。

本当の原因は、意志の弱さではない

じゃあ、なぜ多くのオーナーさんが、利益額を見ないまま来てしまうのか。話を聞いてきた中で見えてきたのは、「見なきゃ」と思ったことは何度もある、ということです。

ただ、いざ数字を出そうとすると、経費の種類も多いし、計算も面倒で、途中で止まってしまう。「家賃はここ、人件費はここ、材料費は…」と分類しているうちに、疲れてしまう。一度そこで止まると、「自分には向いていない」「数字が苦手なんだ」と感じて、そのまま何年も手をつけなくなる。

これまでの数字の教材やツールが、少し欲張りすぎていた面もあると思っています。新規数もリピート率も客単価も、全部いっぺんに見せようとすると、続かなくなって当然なんです。原因は、意志の弱さじゃなくて、最初のハードルがちょっと高すぎることだと、私は思っています。

数字は、本来、責めてくるものじゃありません。今まで見えていなかったものを、ただ見せてくれるだけです。「答えられない」のは能力の問題ではなく、単純に、見る仕組みを持っていないだけ。仕組みさえあれば、誰でも答えられるようになっていきます。

まず見るのは、利益額ひとつだけでいい

では、どうすればいいか。答えは、こちらもシンプルです。経費を細かく分類したり、毎日つけたりする必要は、今はありません。

まず見るのは、月に1回、「先月、いくら残ったか」という利益額、1つだけでいいと思っています。新規のお客様の数や、リピート率は、後回しで大丈夫です。1つに絞るだけで、数字を出すハードルはかなり下がります。

利益額を、月に1回、自分の言葉で言えるようになると、変化が起きます。「今月は良かった気がする」ではなく、「今月は◯円残った、先月より増えた・減った」と、事実で話せるようになる。感覚だけで判断していたときより、次に何をすればいいかが、はっきりしてきます。

これは、守りだけの話ではありません。「今月は利益が出ている、だから新しいスタッフの採用にお金をかけていい」「今月は薄い、だから経費を見直すタイミングだ」。こういう攻めの判断も、感覚ではなく数字を根拠にできるようになっていきます。

今日からできる、3ステップ

  1. 先月の売上を書き出す通帳やレジの画面から、先月の売上を書き出します。
  2. 引かれたお金を、ざっくり合計する先月引き落とされた家賃・人件費・材料費・広告費を、通帳やカードの明細から合計します。1枚1枚の領収書を細かく仕分ける必要はありません。「事業で使ったお金っぽいもの」をひとまとめにするだけで十分です。
  3. 売上から、その合計を引くこれだけで、先月の利益額に近い数字が出てきます。1円単位まで正確でなくて大丈夫です。だいたいの金額が見えるだけで、去年までの「なんとなく」とはまったく違う状態になります。

いちばん伝えたいこと

今日、いちばん伝えたいことは、これです。利益額を答えられないのは、あなたが数字に弱いからでも、経営が下手だからでもありません。売上と違って、利益額は、見ようとしないと出てこない数字だから。

まずは、先月の利益額を、1回だけ出してみてください。まず1つ、利益額だけを見る。それだけで、経営の見え方は、少しずつ変わっていくと思います。

先月の利益額を出す、その第一歩に。

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